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東京高等裁判所 昭和60年(ネ)2195号 判決 1985年10月21日

控訴人 株式会社ぜにや

右代表者代表取締役 長岡正義

被控訴人 株式会社東海銀行

右代表者代表取締役 小林咸生

右訴訟代理人弁護士 松嶋泰

土屋良一

寺澤正孝

主文

本件控訴を棄却する。

控訴費用は控訴人の負担とする。

控訴人は金一〇万円を国庫に納付せよ。

事実

控訴人は本件口頭弁論期日に出頭しなかったが、陳述したものとみなされた控訴状によれば、控訴の趣旨は「原判決を取り消す。被控訴人の請求を棄却する。訴訟費用は、第一、二審とも被控訴人の負担とする。」旨の判決を求めるというのであり、被控訴代理人は、控訴棄却の判決を求めた。

被控訴人の請求原因事実は、原判決事実摘示のとおりであるから、これを引用する。

理由

控訴人は、控訴状を提出したのみで原審及び当審における口頭弁論期日に出頭せず、かつ被控訴人の請求原因事実に対する答弁をしないから、右請求原因事実を自白したものとみなすべきであり、右事実によれば、被控訴人の請求の理由があることは明らかであり、これを認容した原判決は相当である。

なお、原審及び当審における控訴人の右応訴態度等からすれば、本件控訴は訴訟の完結を遅延させる目的のみをもってされたものと認めるを妨げないから、当裁判所は、控訴人に対し本件控訴状に貼用すべき印紙額の一〇倍以内である金一〇万円を国庫に納付すべきことを命ずる。

よって、民事訴訟法第三八四条、第九五条、第八九条及び第三八四条ノ二に従い、主文のとおり判決する。

(裁判長裁判官 賀集唱 裁判官 梅田晴亮 上野精)

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